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旅日記 チベット〜ネパール 国境編

チベット〜ネパール

朝の4:30、まだ外は刺すような寒さと暗闇に包まれている。
高山病と闘いながらも何とか眠りに着くことが出来たのだが、たった今ガイドに起こされた。どうしたのか?と聞くと、何やらメンバー1人の様子がおかしいと言う。
見てみると凄い汗で意識がかなり朦朧としていた。実は彼女、昨日の晩に高山病の薬を飲んでいなかったのだ。事は一大事、このまま時間が経てばもしかすると最悪のケースに陥るかもしれない。とりあえず手持ちの酸素ボトルを吸わせたが効果は薄いようだ。
僕らは直ぐさま荷物をまとめテントを出た。辺りは静まりかえっている。唯、星達だけが空いっぱいに輝いていた。車のエンジンもこの寒さでは中々掛からない。この瞬間だけは流星に彼女の無事を祈った。エンジン音が聞こえると駆け足でこの地を後にした。昼間とは違い、目の前に見えるのはライトの照らす僅かな道だけ。ドライバーも少し気が張っているようだ。何とか彼女の意識を保つ為に僕らは代わる代わる声を掛け続けた。
1時間半ほど経ったであろうか、ようやく太陽が地上に顔を出し始めた。高度も下がってきたからか、彼女の状態も少しマシになってきた。取りあえず僕らは胸を撫で下ろした。
朝食はヒマラヤ山脈の入口、ゲート付近のレストランで食べた。ザンパと言うのがチベットでは有名らしく、身体にも良いらしい。取りあえず彼女に少しずつではあるが食べさせた。今では手が動かせるようになり、言葉も理解できるようになった。だがまだ、喋る事はできない。しかし時間が経てば徐々に回復してゆくであろう。全く、大自然は侮れないものだ。

さて、この日はヒマラヤ山脈を後にしてチベットとネパールの国境の街、ザムへと向かう。
道は昨日今朝の砂利道とは一転してとても快適である。ここからは高度が下がる一方なので、僕の体調もタイヤが地面を軽快に蹴って行くのに連れ元通りになってゆく。

街へと向かう道中、壮大な景色が拡がる谷へと僕らは入っていった。余りの迫力にカメラを持ち出すのを忘れてしまった程である。細く曲がりくねった道の所々から水が流れ落ちている。あまりの高さから流れるものは、次第に滝に変わり虹を作る。大きな岩と、遠慮がちに生える木々。山から谷、そして川へ。まるで天国の出口に居るような感じであった。

そこからさらに1時間ほど走ったであろうか、目的地の街へとやってきた。谷の街。街中は傾斜が鋭く、レストランへ向かうのも一苦労だ。ここで一泊した後、いよいよ国境へと向かう。

部屋で一休み。
実は中国の成都にいたときに大量のビールを買ってチベットへと向かったのだが、高山病のせいで全然飲むことが出来なかった。いま僕の体調は絶好調、ビールでも飲んでリラックスするか。と思って鞄を開けたのだが、何やら水滴がちらほら。異臭も漂う。
もしや!と思って缶を見てみると、底が破裂していた。恐らくエベレストへと足を運んだ時であろう。高度は5000m、彼らも秘境の地では身を保てなかったようだ。

次の日の朝、車で10分走って国境へとやってきた。
約1ヶ月半、中国とチベットに滞在していた。これが僕自身、初の陸路での国境越えとなる。今までの色々な出会い、出来事を思い出しながらゲートが開くのを待った。ネパール側の人々も続々と国境付近に集まって来ている。

いよいよゲートが開く。ここでガイドとドライバーに別れを告げる。
国境内は銃を構えた軍人が沢山。それに伴ってバスの客引きも我が身が先と、次々に声を掛けてくる。もちろん価格は法外だ。彼らを蹴散らし、橋を渡る。一瞬だ。
ネパールへ足を踏み入れる。はじめの一歩。ここからまた新しい旅が始まる。

簡単なVISAの手続きを済ませて僕らは乗り合いバスを拾い、バックパッカーの聖地”カトマンズ”へと向かった。

 

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